長岡禅塾は、岩井商店の創業者である岩井勝次郎が、禅を通じて優秀な人材の育成と、精神的な面で優れた人材を醸成するための育英事業を目的とし1936年に設立した財団法人です。禅に通じた沈着冷静な精神力と常に状況に応じた適切な判断をする精神力を養うために最適な場所と評価されており、現在でも多くの学生が入塾しているのが特徴です。
古くから禅は日本人にとって非常に重要なものとされており、特に様々な分野で的確な判断をするためには精神的な冷静さが重要と考えられてきました。江戸時代は多くの武士がその精神を非常に重要なものと考えている傾向があり、その所作を含めて禅を習得することで自分自身を律し、的確な判断をすることが求められたと考えられています。
長岡禅塾の特徴は他のこのような塾とは異なり、入寮費や入塾費を一切徴収しない点にあります。通常このような場所の場合には高額の費用を徴収し、その場所を卒業したことを1つのステータスとすることが多いのですが、長岡禅塾ではあくまでも塾生一人ひとりの精神的な成長を目的とするものであり、効果的な人材育成を行う機関であるとの認識から費用を一切徴収していません。これらの費用は協賛する企業などの寄付金によってまかなわれており、一切の経済的な負担を気にすることなく精神的な訓練をすることができるのがポイントとなっています。これは設立当初からの方針であり、そのために財団法人の法人格を持ち様々な影響力を全く受けない場所としても世界から高く評価されている点が特徴となっています。
ただし入塾資格は非常に厳しく、申し込みをしても入塾が許される人は非常に少ないものとなっているのが実態です。基本的には大学院生を対象としており、様々な学習を行い一定のレベルに達していることを前提としているほか、精神的な部分でもすでに一定の領域に達している人が対象となるため、単に精神修行をしたいと言うだけでは簡単に入塾することができないことから、その入塾を希望する人にとっては憧れの場所となっている面があります。
長岡禅塾は日本唯一の禅修行をすることができる場所であるとともに、自分自身をしっかりと見つめ直す機会を与えてくれる非常に優れた場所と世界的に評価されています。また最近では海外からも多くの学生を受け入れており、日本文化に興味を持ちこれを世界に伝えようとする多くの学生を受け入れるとともにその成果を世界中に発信しているものとなっているのが特徴です。