新潟県立近代美術館は、新潟県長岡市にある千秋が原ふるさとの森の中にあります。前身となる新潟県美術博物館が、芸術に触れ合う機会を充実させたいという想いから、複合施設から単独館になり、新潟市から長岡市に移転しました。こうして1993年に近代美術館として生まれ変わったのです。所蔵作品は国内有数の約6000点をほこります。県立の美術館として世界の美術や日本の美術、新潟の美術をテーマにした作品が常設されているのが特徴です。新潟の美術では県を中心とする作家を主に集めています。その他にも作品の解説やギャラリートークなども行われています。1から2か月ごとに企画展が変わり、関連する美術鑑賞講座やイベントなどが行われているのも一つの特徴です。身近に美術を楽しむことができるワークショップや親子企画なども充実しているので、是非とも展覧会に参加してみると良いでしょう。
オープンから四半世紀を過ぎ、施設の老朽化や機器の不具合に対応するために、設備の工事や一部改修工事が行われ、1年間の長期休暇を経て、2019年9月に再開館を果たしました。エントランスに一歩足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるものが巨匠ロダンの彫刻作品、カリアティードとアトラントです。もとは建築物のバルコニーを支える装飾品として設置されていましたが、近代美術館の象徴になっています。館内にはコレクション展と企画展陶展ギャラリーが設けられています。
2019年に一年の時を経て再開館を果たしましたが、リニューアル直後に展示テーマに選ばれたものが新潟の美術です。2019年9月から11月には新潟県で国民文化祭が開催されましたが、これを応援するべく、新潟県ゆかりの作家を紹介するために開かれたのです。これらの芸術作品は新潟の宝でもあり、多くの人々に知ってほしいという願いが込められていました。そして2021年に企画展に選ばれたものが、久保田成子展やよみがえる正倉院宝物です。
美術作品に興味はあるけれども、いまいち鑑賞のポイントが分からないと感じている人も多いかもしれません。作品解説はじっくりと読みながらも、肝心の作品をなんとなく眺めて終わってしまう人も多いことでしょう。まずは直感で作品の気になるところを探してみるのも面白いものです。この時に作品解説を見るのではなく、そこに答えはありません。自分の経験や知識、感情などを照らし合わせながら、自分がなぜそのように感じたのかを理由を考えることも面白いものです。訪問する前にはインフォメーションを確認してから向かうようにしましょう。