こんにちは。50代副料理長です。
今回は一足早い真夏日となった休日に、新鮮な海の幸が集まる千葉県の九十九里エリアに出かけた時の話をしようと思います。
皆さんの中にも、九十九里エリアへの車中泊旅を計画しているけど、「どんなところがある?」「何が美味しい?」と気になっている方もおられるのではないでしょうか。
そんな方々のために、海の駅で見つけた地元のめざしや、自作のオイルサーディンを使った自慢の車中飯、さらには千葉県三大ラーメンの一つと言われる「アリランらあめん」を体験した話など、料理人として感じた食材の魅力や調理の視点も交えながらまとめてみました。
初めて訪れた九十九里の道の駅で名物のイワシをゲット
九十九里に到着して最初に向かったのは、これまで一度も行ったことがなかった「道の駅」ならぬ「海の駅 九十九里」。
片貝漁港のすぐ目の前で、日本で唯一の青いポストがあることで知られていますが、その他にも、水揚げされたばかりの新鮮なイワシやハマグリなどの海鮮を、九十九里の広々とした浜辺を眺めながら堪能できるということで、人気があるようです。
しかし、料理人としてこうした地元の直売所や道の駅は、いろんな地元の珍しい食材に出会えるという事で、ワクワクしますよね~。
こちらではイワシが名物なようで、沢山のイワシが泳ぐ大水槽があったり、水槽併設された資料館には、漁の様子や大漁旗なども展示されていました。
また、直売所コーナーには生魚だけでなく、めざしや干物、オイルサーディンなどの水産加工品も多数売られており、料理人の目線からも楽しむことが出来ました。
ということで、今回は地元産イワシで作った美味しそうな「めざし」をチョイス。
今夜の夕食で頂く予定ですが、めざしってそういえば最近は口にした記憶がないので、どんなお味になるか、今から楽しみですね~。
ちなみに余談ですが、この「海の駅」は、なぜかバイクグッズの品揃えが充実しているんです。バイクには乗らない(っていうか、乗れない)ので、特別に興味もないのですが、「海」なのに、陸の乗り物が展示されているのには、不思議な気がしました。
夕食の舞台は車内から海が見える「屋形海岸」へ
車に戻り、さっそく購入しためざしを車内の冷蔵庫へ保管。
プロの調理場でも衛生管理と温度管理は基本中の基本ですから、「自分が食べるから」、「すぐに食べるから」といって、購入した食材、特に生鮮品を常温で放置する、などという事は車中泊でも絶対にしません。
そんなことをしているうちに、だんだんとお腹が空いてきました。
せっかくなら、海辺の駐車場に車を停めて、景色を眺めながら夕食にしたいところ。少し思案の上、車を北に走らせて「屋形海岸」へ向かいました。
ここは駐車場から、しっかりときれいな波打ち際が見渡せるので、デートや撮影スポットに人気の高いところ。また、愛車の中で手作りのご飯を楽しむにも、絶好のロケーションと言って良いでしょう。
着いた時はちょうど夕暮れ時で、空と海がグラデーションに染まって何とも幻想的。小さな子供を連れた親子連れが波打ち際で遊んでいるのが、印象的で心が洗われますね。
他の車の邪魔にならないよう、駐車場の一番端に車を止め、早速車内で夕食の準備に取り掛かります。
ホットサンドメーカーで楽しむ車内居酒屋
メニューは、あらかじめ自宅で用意してきた焼き鳥と、さっき海の駅で買ったばかりの「めざし」。
これを、普段朝食時に使用しているホットサンドメーカーで焼いていきます。
ホットサンドメーカーで焼き鳥を焼く理由
知らない人が聞くと、具材がつぶれて平ぺったくなっちゃわない??って思われるかもしれませんが、焼き鳥やめざしぐらいの大きさなら、完全にロックしなければ大丈夫。
むしろ、意外に思われるかもしれませんが、ホットサンドメーカーって、実は焼き鳥と相性が良いんですよね。
お肉に、上下から効率よく熱が加わるだけでなく、ふたを閉めることで蒸し焼きのような状態になるから、パサつかず、ふっくらジューシーに仕上がるんです。
ただ、焼き過ぎには注意が必要。
焼き台で焼くのと違って、ふたを閉めてしまうので具材の姿が見えません。
最初の頃は、タイマーを何回か回して、状態を見ながら焼いていたんですが、慣れてきたころ、回し過ぎて黒焦げにしてしまった、、なんてことがあります。
何でもそうですが、慣れてきたころのミスというのが一番怖いですよね。
ちなみにもう一方の主役の焼き鳥ですが、今夜のラインナップは、大好物の「肉巻きトマト」に「しそ巻き」、「ねぎま」の3種類。(焼き鳥といっても、実際に鶏肉を使っているのは王道のねぎまだけで、肉巻きトマトとしそ巻きについては、豚バラ肉を使用しています)
肉巻きトマトに串を打ったりして準備を進めていると、めざしを焼いているホットサンドメーカーから、何とも言えない香ばしい良い香りが漂い始めました。思わず生唾を飲み込みながら、ひっくり返して、もう片面もしっかり焼いていきます。
めざしが綺麗に焼き上がると、次は焼き鳥たちの番。
めざしは少し斜めに並べる必要がありましたが、焼き鳥はホットサンドメーカーのプレートにジャストフィット。
めざしを焼いて感じた大人の味
焼き鳥を焼きながら、めざしは早速出来たてをいただきます。「ししゃも」なんかもそうですが、こういったものは頭から豪快にいくのが流儀。
ガブリ、、、「うん、美味い!」
口に入れた時に広がる肝の絶妙な苦味と、噛むほどに出てくる脂の旨味がたまりません。
子どもの頃は苦手でしたが、この脂のコク と 肝の苦味 、 身の塩気が三位一体となった複雑な味わい、これぞ大人の味というか、苦み走ったビールと同じで、最高に美味しく感じます。
めざしを堪能していると、ちょうど良いタイミングでねぎまも焼き上がりました。
かぼす胡椒と和からしで焼き鳥を味変
実は今回、ねぎまには「かぼす胡椒」が絶対に合うんじゃないかと思い、お家から持ってきています。冷めないうちに次のネタをプレートに仕込んでおいて、焼き立てのねぎまに少量を塗って一口パクリ。
「めっちゃ美味しい。。」
ピリッとした辛みと爽やかな柑橘の香りが、鶏の脂をキリッと引き締めてくれる感じで最高です。今夜の車中泊スポットまで、まだ運転が残っていますので飲めませんが、やっぱりビールが欲しくなりますね~。
もともと、ほんの少ししか残っていないこともあって、あっという間に使い切ってしまいました。
続いて、大好きなトマト巻きをパクリ。これも最高。
熱々のトマトが口の中で弾ける瞬間が最高です。トマト巻きにも、和からしマスタードが合うんじゃないかと思って持ってきていますが、これをつけることで、更にピリリとした辛さが水分量が多くまろやかな具材の味を、奥深い味へと深化させます。
焼き鳥って、ただ具材を焼くだけのシンプルな料理じゃなくて、いろんなアレンジ次第でどこまでも楽しめるんですよね。
海を眺めながら、自分で焼いた焼き鳥を頬張る。これだから車中泊はやめられません。
自家製オイルサーディンで作る朝のホットサンド
自分流の焼き鳥を堪能した昨夜の車中泊を終えて、清々しい朝を迎えました。気温も涼しくて非常に過ごしやすい、最高の目覚めです。
まずは車内を少し片付けて、朝食をとってから出発することにします。
メニューは、オイルサーディンとチーズ、レタスを贅沢に挟んだ、熱々ホットサンドです。
オイルサーディンも市販の缶詰ではなく、自宅で生のイワシを塩漬けにし、オリーブオイルでじっくりと低温加熱したお手製のもの。
缶詰よりずっと大ぶりのイワシですが、身はもちろん、骨まで丸ごと食べられるほど、ホロホロに柔らかくなっています。
しかし、よくよく考えたら、昨日も道の駅でイワシ(めざし)を食べたのに、今日もイワシ。どんだけイワシが好きなんだ、、って感じですが、ただ、昨日のは千葉県産、今日のは新潟産なので、同じイワシでも微妙に味わいが違うかも、、です。
パンの上にオイルサーディンをたっぷり並べ、新鮮なレタスをちぎって載せたら、その上からこれでもか、、とばかりにシュレッドチーズをどっさり召喚。あとは焼くだけ。
チン!と、タイマーが軽やかな音を奏でたところでふたを開けると、見事にこんがりと香ばしく焼きあがったホットサンドが登場。
ガブリと一口頬張ると、チーズとオイルサーディンが溶けあったコクのある旨味がじゅわっと口の中に広がります。「美味すぎ。。。」やっぱ予想通り、オイルサーディンとパンの相性は抜群です。
ちなみに、めざしは乾燥させて旨味を凝縮させた和の文化ですが、オイルサーディンは油に旨味を閉じ込めた洋の文化。
同じイワシでも、調理法によって全く違う贅沢な味わいが楽しめるのが面白いですよね。
今回の旅は、なんだかイワシの秘めたる美味しさを、改めて再発見する旅になっているようです。
千葉の秘境グルメ!総本山で味わうスタミナ満点アリランらあめん
すべての準備が整ったので、次の目的地へ向かって車をスタートさせます。
今回のテーマは、地元の美味しいグルメを楽しむ旅でもありますが、ホテルの厨房だけでなく、たまにこうして外の味を知ることは、新しいお料理のアイデアにもつながりますので、とても重要です。
訪ねるのは、千葉県三大ご当地ラーメンの一つと言われる、「アリランらあめん」総本山の「八平」さん。
その昔、峠を超えるのが大変だった「アリラン峠」の伝説にちなみ、「このラーメンを食べて元気に峠を越えてほしい」という思いから考案されたという、スタミナ満点のラーメンですが、果たしてどんなお味なのでしょうか。
アリランらあめんを注文
車はどんどん山の方へ入っていき、なだらかな坂道の途中にある目的のお店を発見しました。
なんと、店舗の上の方の窓付近には黄色いポストが飾られています。昨日の青いポストに続き、なんだかポストに縁がある旅ですね。
中に入ると、さっそく、お目当ての「アリランらあめん」(1,100円)を注文。
このラーメンは、今から50年ほど前、まだお店が屋台だった頃に当時の店主の方が考案された歴史ある一杯なのだそう。同じ料理人として、長く愛されるメニューのルーツには非常に興味があります。
お持ちかね、ついにラーメンが運ばれてきました!
ベースは奥深い醤油スープで、見るからに食欲をそそるピリ辛仕立て。スープを一口飲むと、ガツンと強烈なニンニクの豊かな香りが口いっぱいに広がります。
麺は中太くらいの中華麺。もちもちとした食感で、ピリ辛のスープがよく絡みます。
また具材には、くたくたに煮込まれた玉ねぎが、たっぷり入っているのが素晴らしい。じっくり火が通って甘味の出た玉ねぎが、スープのピリ辛さと絶妙にマッチして、全体の味を奥深くまとめています。
卓上調味料で味を変える
ここで、テーブルの上に置かれた見慣れない調味料を発見。
仕事柄、こういうものを見つけると試さずにはいられない性分ですが、一さじすくって投入すると、コクと辛味がプラスされて、さらにパンチのある味わいに変化します。
恐らく、粉唐辛子に胡麻油をブレンドしている感じでしょうか。辛みに加えて絶妙な香ばしさが加えられています。これは、辛い物好きにはたまらない、嬉しい味変のサービスですね。
スープまでしっかりと飲み干して、ご馳走様です。
いやぁ、アリランらあめん、本当に美味しかった!ニンニクのコクとピリ辛の刺激で、食べ進めるごとに身体の芯から元気が湧き出てくるような味でした。
周りを見てみると、辛さ控えめで注文しているお客さんもいたので、好みに合わせて辛さは調整してもらえるみたいです。
メニューには「アリランらあめん」と「アリランチャーシュー(1500円)」の2種類があったので、お肉をがっつり、お腹いっぱい食べたいという人はチャーシューの方を選んだ方が良いかもしれません。
興味のある方は、是非お試しになってください。
まとめ
今回は、愛車の軽バンで巡った、千葉県・九十九里エリアの車中泊&グルメ旅の様子をお届けしました。
料理人として、今回の旅で印象に残ったポイントを下記にまとめてみました。
- 海の駅九十九里では、新鮮な海産物や加工品が豊富で、料理好きでも楽しめる
- 同じイワシでも「めざし」と「オイルサーディン」では、調理法によってまったく違う美味しさが引き出される事を改めて実感
- ホットサンドメーカーはパンだけでなく、焼き鳥や焼き魚などの車中飯にも活用できる
- 50年もの間、地元客に愛される千葉県三大ご当地ラーメンの一つ「アリランらあめん」は、料理人としても学びの多い一杯だった
九十九里巡りでは、地元の食材や人気店の味に触れることで、普段の厨房では得にくい味付けや組み合わせの工夫に気づけた旅となりました。
これからも50代副料理長として、料理人ならではの視点を交えながら、車中泊旅で立ち寄った場所やご当地グルメ、車中飯を紹介していきます。
今回の記事が、九十九里エリアへの車中泊旅を計画している方の参考になれば幸いです。


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