訪れた旅先で、釣れた魚をその場で調理して味わう。これも車中泊旅ならではの大きな楽しみです。
今回は、千葉県・内房エリアで実際に釣ったキスと舌平目を使った車中飯レシピと、野外調理で実際に経験した失敗談を紹介します。
前編ではダイソー100円仕掛けで釣りに挑戦しましたが、本記事だけでも車中飯の楽しみ方や野外調理で気を付けたいポイントが分かる内容になっています。
いろいろな車中飯を味わってみたい方や、車中飯のバリエーションを増やしたい方、野外調理に関心のある方などの参考になれれば嬉しいです。
どうぞ最後までお付き合いください。
絶景の海岸駐車場で味わう目玉焼きホットサンドの贅沢な朝
先ほどの海岸から、車でおよそ10分ほどの距離にある、別の海岸の駐車場にやってきました。
こちらは、先ほどまでいた駐車場と異なり、視界を遮るような壁が無く、後部の荷室部分に座ったまま青い海が一望できます。逃げるような形で出てきましたが、むしろ移動してきて正解だったかもしれません。
取り急ぎ、他の車の邪魔にならないように一番隅に車を止め、車内をサッと片付けてから、遅めの朝食を頂くことにします。
今朝の朝食は、目玉焼きにチーズ、レタスのシンプルなホットサンドです。
目玉焼きは、極力洗い物を増やさないように、油を敷いたホットサンドメーカーで焼きます。
ある程度焼けたら、いったん取り出し、盤面の汚れをキッチンペーパーで拭き取ってから、パンを載せ、レタス、さっき焼いた目玉焼き、チーズの順番に載せて焼き上げます。
味付けは塩コショウのみ。マヨネーズやバターなど、余計なスプレッドは使わず、素材本来の味やサクサクとしたホットサンドの食感をシンプルに楽しみます。
ピクニックに持参したりホテルの厨房で作るサンドイッチは、生食のものが多いですが、自分が旅先で頂く場合はこのホットサンド一択。
熱々で香ばしく焼き上げたパンと、とろりとろけるチーズの組み合わせが最高なのと、多少、パンが時間が経って固くなっても、ホットサンドなら全く関係なく、熱々の出来立てが食べられるからです。
そういう意味では、ホットサンドは車中泊向きと言えるかもしれませんね。
海を眺めながら、サンドイッチとコーヒーで贅沢な時間を堪能した後、今日宿泊する予定のキャンプ場へと向かう事にします。
しかし、キャンプ場へ続く最後の道のりが、軽バン1台がやっと通れるほどの極狭な悪路で、おまけにかなりの急坂。
見通しが悪いうえ、対向車が来たらどうしよう、、という焦りで運転中は常に心臓バクバク。
普段、狭いホテルの駐車場で車の出し入れには慣れている自分でも、この運転はさすがに怖くて緊張しました。
大自然に囲まれた山間のキャンプ場「あるある」ですが、無事辿り着けて本当に良かった。
キャンプ場での贅沢な宴!サクサク天ぷらと舌平目のアクアパッツァ
キャンプ場に到着したら、まずはタープの設営に取り掛かります。幕体を拡げ、ポールを接続したらロープをペグで固定し、立ち上げます。
キャンプを始めたころは、こうした作業にもものすごく手間取り、30分以上時間がかかったものですが、慣れた今では手際よく、わずか数分で完了することが出来ます。
その後、折り畳みのテーブルと椅子を組み立て、調理器具を並べたら準備完了。
早速、今夜の宴に使う食材の下準備に取りかかります。
宴の準備は舌平目&キスの下処理から
手元にあるのは、贅沢にもキスと舌平目。舌平目は皮が非常に硬くて食用には向かないので、まずはこの皮をベリベリと剥ぎ取る必要があります。
包丁を使っての作業はいくらプロでも危険なので、屋外ではなく炊事棟のキッチンをお借りすることにしました。
今夜のメニューは、キスの天ぷらと舌平目のアクアパッツァ。
舌平目は包丁を入れて皮をきれいに剥ぎ、キスは頭を落として背開きにします。あらかじめ内臓は取り除いてあったので、開いたら中骨をきれいに取り除いて準備完了。
付け合わせは、今朝道の駅で仕入れた新鮮なヤングコーンと、キャンプ場の方に頂いた採れたてのニンジン。
ヤングコーンは外側の葉を取り除くと、中のコーンは小ぶりで可愛らしいサイズです。
ニンジンも身は細身ですが、天ぷらにするにはちょうど良い大きさですね。カットしなくても、そのまま丸ごとガブっといけそうです。更に瑞々しい葉がついていますから、こいつも豪快に揚げていきましょう。
タープに戻ったら、次にやるのは衣となる天ぷら粉の準備です。
アルミ製のボウルに冷水と卵を入れ、しっかりと混ぜ合わせたら、こちらも冷やしておいた小麦粉を数回に分けて加え、さっくりと混ぜたら完成です。
面倒な手間ですし、そもそも、天ぷらって油の後処理や飛び散りの掃除が大変だから、自宅なんかではなかなか作りませんよね。
ただこうして外で、車中泊で作る時は、こんな手間の一つ一つが楽しい時間になるし、出来上がった揚げ立ての天ぷらは、面倒くさい手間のすべてを帳消しにするほど美味しいものです。
いざ実食!釣り上げたキスと地元新鮮野菜の天ぷら
ウキウキ気分で作業を進め、食材の準備が揃ったところでメスティンに油を注ぎ、火にかけます。
箸先で温度を確かめながら、まずはニンジンとヤングコーンを投入。パチパチと心地よい音が森に響きます。
にんじんが良い揚げ色になってきましたね。
久しぶりの天ぷら。素材そのものの味を楽しむために、何もつけずにそのまま頂きます。
まずはにんじんから、熱々を口に運ぶと、、「うんま!」。
衣が素材の旨味を閉じ込めるから、カリッとした食感と、ジューシーで自然な甘味が口の中に広がります。ヤングコーンも外はサクサク、中はジュワッと旨味があふれてきます。
続けて、ニンジンの葉っぱ、キスを順に油に投入。
一度にたくさん入れ過ぎると、油の温度が下がってベチャっとした天ぷらになってしまうので、慎重に様子を伺いながら揚げていきます。
おっとっと、、よそ見している間にちょっと火力が強すぎたかもしれません。キスを入れた瞬間に一瞬でサクッと揚がってしまいました。
最終的に、キス、ヤングコーン、そして新鮮なニンジンと葉っぱの天ぷら盛り合わせが完成。
ここに、庭で採れたレモンを豪快にギュッと絞っていただきます。
衣を軽めにして揚げたせいか、キスは一口食べると、サクサクした食感と身は驚くほどしっとりフワフワしていて、極上のコントラストを奏でます。
ちなみに、衣をあえて薄めにしたのは、キス本来の繊細な甘みを消したくなかったからですが、結果として、衣は軽く、身のふんわりとした食感がより際立ちました。
普段ホテルで白身魚を扱うときも、素材が良いほど衣や味付けは引き算を意識していますが、ここでもその計算が役に立ちました。
淡泊ですが、釣れたての新鮮さもあって、白身魚特有の生臭さも感じませんし、ものすごく上品で奥深い味わいを感じることが出来たと思います。
やはり、どんなお料理でもそうですが、新鮮な素材を使った出来立てのものを頂くのが一番の贅沢ですね。これなら、あと10匹くらいは余裕でペロリといけそうです。
にんじんの葉っぱも、サクサクの軽い歯ごたえでウマい。
苦味というかエグ味というか、野草のような少し独特の風味があるので好き嫌いが分かれそうですが、(自分もそうですが)ハーブ系が好きな方なら問題なさそう。
とはいえ、やっぱり今夜の文句なしのMVPはキスですね。しかし、メイン食材はもう一つ残っています。
綺麗に皮を剥いたあの舌平目。これを今夜は贅沢に「アクアパッツァ」に仕上げていきます。
舌平目の旨味が溶けだした絶妙スープのアクアパッツァ
合わせる具材はキャベツ、そして昨日道の駅で買った香りの良いキノコに、果肉ぎっしりのミニトマト。
まずはスキレットにキャベツを敷き詰め、キノコを手で割きながら散らしていきます。その上に舌平目をそっと横たわらせ、昨日買ったあの肉厚なトマトを空いたスペースに数か所トッピング。
このトマトがきっと良い仕事をしてくれるはず。
最後に塩、胡椒、そしてドライハーブをパラパラと少々振りかけて準備完了。
水やブイヨンなどを加えなくても、キャベツの水分と舌平目から濃厚なダシが出てきて絶妙なスープに仕上がります。
後は蓋をして火にかけていくだけですが、先ほどキャンプ場の方に新鮮な絹さやを頂いたので、色合いと食感のアクセントとして途中で加えようと思います。
火にかけてしばらくすると、良い蒸気が上がってきました。
舌平目は、ホテルの厨房では、フランス料理のムニエルとしてよく使用していますが、自分自身、アクアパッツァにして食べるのは初めてです。
興味津々で、いざ実食、、「うん、いける。。」
身自体は上品でやや淡泊な味わいですが、そこにスープの濃厚な旨味がしみ込んで、非常に奥深く、きめ細やかな味わいに変化しています。
特に、クタクタに煮込まれたトマトが加わることでスープの旨味を引き上げ、心地よい酸味が全体の味わいを引き締めてくれます。
洋風料理にトマトが欠かせないのは、こうした名わき役を務めてくれるからですよね。
見晴らしの良い丘の上で、大好きなビールを飲みながら大満足のお料理を完食。
今夜は、自分で釣った新鮮な魚たちを自分で調理して味わう、極上の宴を満喫することが出来ました。
ご馳走様でした。
豪快ミートホットサンドとチーズ流出事件
翌朝、おはようございます。昨夜は比較的涼しかったので、とても寝やすかったです。
今回の旅はこのキャンプ場で最後になりますが、まだチェックアウトまでにはたっぷりと時間がありますので、さっそくのんびりと朝食の準備に取りかかっていこうと思います。
実は、朝食に作ってみたいものがあるんです。
ユーチューブのShort動画の料理で、ハンバーガーを丸ごとホットサンドメーカーでプレスしたようなものを作っている人がいて、それがもの凄く美味そうだったので、ちょっと自分流にアレンジして作ってみたくなりました。
まずはホットサンドメーカーにひき肉を豪快に敷き詰めて、塩、ブラックペッパー、オールスパイスを振りかけ、ジューッと肉々しく焼いていきます。
ちょっと買った量が多すぎて、鉄板に収まりきらないのですが、残しておくわけにもいかないので、むりやりモリモリにして焼いていきます。
蓋を閉めると、ジュージューと凄まじい音と共に、美味しそうな肉の蒸気が立ち上ります。
表面がカリっと、香ばしく焼き上がったところでいったん取り出し、代わりに鉄板に載せたパンの上に置いて、トマト、レタス、大量のチーズを挟み込んでギュッとプレス。
あとは焼き上がるのを待つだけですが、しかし、ここで事件が発生。
どうやらテーブルの設置にわずかな傾斜があったようで、ホットサンドメーカーの隙間から、下がっている方向へ、トロトロに溶けたチーズがほぼ全量流出してしまいました。
なんだかやけに香ばしい香りがするな、と思ったら、流れ出たチーズが外側の鉄板で直接焦げていただけでした。
チーズを欲張って入れ過ぎた、っていう問題もありますが、木々が生いしげるような自然の中のキャンプ場では、それと気づかない傾斜があるもの。
ホットサンドのチーズならまだ良いですが、熱湯や煮たった油などが入った鍋をひっくり返しでもしたら、大変な事故につながる可能性も否定できません。
今回の経験以来、自分は調理を始める前にテーブルに水の入った小さなコップを置いて、どのぐらいの傾斜があるのか確認するようになりました。
ほんの数秒でできる確認ですが、屋外では意外な傾斜があることも多く、安全確認の大切さを改めて実感することとなりました。
ただ、焼き上がったものを口に運んでみると、味は予想通り文句なしの出来。
口いっぱいに広がる、めちゃくちゃ肉肉しい食感と、噛むほどにあふれ出る肉汁の旨味、流れ出たチーズがところどころ残って、おこげのようになっている部分は香ばしさも満点です。
とろりとろけるチーズを口に出来なかった無念さは残りますが、なにより焼き立て、出来立ての美味しさが全てを払しょくしてくれました。
こうした失敗は家では面倒に感じることでも、不思議と旅先では次に生かそうという楽しさに変わります。
その積み重ねが、自分なりの車中飯スタイルになってきたように感じています。
今回の千葉・内房の旅でも、いろいろな失敗や体験をしながら、美味しいものにも巡り会えて、とても充実した満足のいく旅となりました。
まとめ
- 朝の絶景ホットサンドは、素材の味を極限まで引き出すシンプル調理。車内からの最高のロケーションと温かいコーヒーがあれば、どんな高級朝食にも負けない贅沢な時間に。
- 釣れたてのキスと地元野菜の天ぷらは、フワフワの白身と新鮮野菜の甘みが口いっぱいに広がる至高の一品。ハーブのような香りの「ニンジンの葉」も衣をつけて揚げるのが隠れた絶品レシピ。
- 高級魚・舌平目の即興アクアパッツァは、キャベツの水分と魚の出汁、肉厚トマトの旨味が融合した極上スープ。
- 豪快ミートホットサンドの注意点:自然の中では気づきにくい「テーブルの傾斜」によってチーズが全流出するハプニングが発生。安全面を含め、野外調理での水平確保の大切さを再認識する良い機会に。
ダイソーの100円仕掛けで奇跡的にゲットしたキスと舌平目を、サクサクの天ぷらと濃厚なアクアパッツァに仕上げて味わった今回の内房車中泊旅。
高価な調理器具や特別な食材がなくても、自分で釣った魚や地元の食材をその場で味わうだけで、旅は何倍も思い出深いものになります。
最後のホットサンド作りでは、テーブルのわずかな傾斜に気づかずチーズがほぼ全量流れ出てしまうという、プロとして少し恥ずかしい大失敗もありましたが、そうした失敗も含めて楽しめることこそ、車中飯と車中泊の一番の魅力だと思います。
これから車中飯に挑戦しようとする方も、最初から凝った料理を作ろうとしなくても、ホットサンド一つでも十分旅の満足度は変わります。まずは一品だけ、自分だけの車中飯を作ってみてはいかがでしょうか。


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