こんにちは。50代副料理長です。
今回は、いつもと趣向を変えて、冬の新潟へ車中泊ドライブに出かけた際に作った、炊飯器任せの車中飯と、朝の贅沢なカフェタイムに味わった、お気に入りのモーニングメニューに絞ってお伝えしようと思います。
おなじみ炊飯器任せの車中飯は、新潟が誇る名物の発酵調味料を使った「もつ煮」、”お気に”の朝食は、限界突破「これでもか、、」と詰め込んだホットサンド&抹茶ラテになります。
プロが作った特製手抜き男飯の全貌を伝える今回のブログ、どうか最後までお付き合いください。
伝統の発酵調味料「かんずり」を隠し味に!炊飯器で仕込む濃厚もつ煮
今夜のメインディッシュは「もつ煮」です。
美味しそうな「もつ」が並んでいるのを目にしたから、ということもありますが、それ以上に、凍えるような寒さの中、何か身体が温まるようなものが食べたい、、と思っていたからです。
しかし地方のスーパーに行くと、その地方にしか売られていない食材が売られていたりするので、テンションが上がりますよね。
毎日厨房に立つ人間としては、普段目にしない食材を見つけると、ついつい興味本位に手にとり、裏に貼られている食品表示ラベルをじっくりと眺めたりします。
そんなこんなで大した量も買わないのに、やたら時間がかかったりするんですよね~。
嫁なんかと一緒に買い出しに来ると、買い物途中ではぐれて探し回るのが日常茶飯事。気づくとカート係がいない、ということで、嫁からはよく叱責されたりします。
今日は一人ですので、そんな心配もないのですが、
今回どうしても試したかったのが、もつ煮の味付けの主役となる、新潟のローカル調味料「かんずり」です。
これは唐辛子を雪の上に晒した後、塩や、栄養豊富な「麹(こうじ)」、そして風味が絶大の「ゆず」を合わせて数年間じっくりと発酵熟成させた、新潟の伝統的な香辛料です。
値段はスーパーで大体5~600円で購入できますが、
蓋を開けると、フワッと爽やかなゆずの香りと、発酵食品特有の、奥ゆきのある香りが鼻をくすぐるんですよね~。
このかんずり自体にしっかりとした塩味と旨味が凝縮されているので、今回の味付けは醤油をいつもより控えめにして、素材の旨味を存分に楽しみたいと思っています。
新潟の海の幸で至福の晩酌!ハスラーの特等席で味わう伝統の味
前回のチキンリゾットの記事でも触れましたが、自分の車中泊の調理スタイルは、今の愛車、スズキ・ハスラーになってからガラリと変わりました。
かつてはシングルバーナーとフライパンを取り出してバタバタと調理をしていたのですが、今は「炊飯器をフル活用したほったらかし同時調理」が主流です。
あらかじめスーパーの駐車場で食材をカットし、すべての材料を炊飯器の釜に放り込んで、スイッチをオン。あとは車を走らせたり、用事を済ませたりしている間に、炊飯器が完璧な火加減で極上の煮込み料理を仕上げてくれるという寸法です。
どうしても煮込み的な料理に偏ってしまう、、という難点はありますが、
それでも簡単に、そして美味しく食べられるという利点を考えれば、今はこの方法抜きには考えられません。
仕事の厨房では1秒の火加減に神経を尖らせていますが、プライベートでは徹底的に楽をさせてもらうことにしています。
脂の乗りが抜群!新潟県産アジの刺身とビールで最高の乾杯
車を安全な場所に停めて車内を落ち着かせたら、いよいよお待ちかねの晩酌タイムの始まりです。外の冷たい風の音をBGMに、まずはキンキンに冷えたビールで、一人静かに乾杯。
前菜としていただくのは、先ほどスーパーで一目惚れした新潟県産のアジの刺身です。さっそく醤油をちょんとつけて一口。
「美味い……!」
身がぷりっぷりで歯ごたえが良く、噛むほどにアジ特有の上質な脂の旨味が口いっぱいに広がります。
アジは開きにして焼いて食べる方が多いですが、こうして新鮮な状態のものを刺身で食べるのもまた最高。やっぱりその土地の地物をその場所でいただくというのは、何物にも代えがたい贅沢ですね。
仕事の厨房で部下たちに出す高級食材もいいですが、愛車の狭い車内で食べるこの一皿のほうが、何倍も五臓六腑にしみ渡る気がします。
新潟の名脇役!唐辛子と麹が生み出す発酵の旨味「かんずり」の魔力
アジの刺身を堪能していると、タイミングよく炊飯器からピピッという愛おしい電子音が鳴り響きました。
期待を込めて蓋を開けると、車内中に唐辛子のピリッとした香りとゆずの爽やかなアロマが一気に充満します。器に盛り付けて、出来立てをさっそくスプーンですくって一口。
これは本当に美味い!!
塩加減が計算通りドンピシャです。じっくりと炊飯器の密閉空間で熱を入れられたもつは、驚くほど柔らかくジューシー。意外だったのは、かんずりの少し尖った辛みが、もつの脂と合わさって stewed(煮込む)されることで、ものすごくマイルドで奥深いコクへと昇華している点です。
もつ煮以外でも、湯豆腐やおでんなどの鍋料理の他、
焼き鳥や焼肉などの薬味として、または七味やラー油の代わりにうどんやラーメンに入れたりと、この地方では結構万能な調味料として愛されているようですが、
今回はその魅力を確かに実感できたような気がします。
ビール片手に、スプーンを動かす手が止まらず、あっという間に完食してしまいました。
朝の贅沢!限界突破のサバ缶ホットサンドと本格ふんわり抹茶ラテ
大好きな具材をこれでもかと詰め込む!大容量ホットサンドの挑戦
翌朝、目が覚めると外は一面の銀世界。3月の新潟はまだまだ完全な冬景色です。さっそくFFヒーターをつけて車内を温め、お楽しみの朝食作りに取りかかります。
今朝のメニューは、私の大好物をこれでもかと詰め込んだ「大葉(しそ)とサバ缶のホットサンド」。
ホットサンドメーカーの食パンの上に、これでもかとサバの身を乗せ、その上に自分が愛してやまない大葉を大量に敷き詰めます。
さらにそこへ、とろけるチーズを「これでもか!」というくらいドバッと召喚。
ホットサンドを作る上での自分なりの基準は、「どれだけ限界まで具材を詰め込めるか」だと思っています(笑)。
ぎゅっとプレスして、バーナーの弱火で両面をじっくりとキツネ色になるまで焼き上げていきます。
ミルク泡立て器を引っ張り出して!男のこだわり本格抹茶ラテ
パンが焼き上がるのを待つ間、コーヒー以外では最近お気に入りの「抹茶ラテ」を淹れることにします。
普段なら面倒くさがりの性分が出て、粉をサッと溶かして終わりにするのですが、今朝は料理人としてのこだわりがうずき、少し丁寧に作ってみることにしました。
クッカーで温めた豆乳に抹茶の粉を丁寧に溶かし、さらに100円ショップで購入したミルク泡立て器でシャカシャカと丁寧に空気を含ませながら、きめの細かいふわっふわの「フォームド・ミルク(泡立ちミルク)」を作って、ラテの表面にそっとトッピングしていきます。
ただ豆乳と抹茶を混ぜるだけでなく、このひと手間を加えて綺麗な白い泡が乗るだけで、車内の朝食がカフェのような雰囲気に様変わりし、ものすごい達成感を得られるから不思議なものです。
魚・大葉・チーズの黄金比!とろける食感に大成功のガッツポーズ
そうこうしているうちに、ホットサンドがパカッと綺麗に焼き上がりました。
包丁を入れて断面を確認してみると、中から熱々のチーズがトロリと溢れ出てきて、完璧な仕上がり!これには思わず車内で小さくガッツポーズです。
ハフハフと言いながら口に運ぶと、サバの濃厚な旨味とチーズのコクが合わさり、それを大葉の爽やかな香りがキリッと引き締めてくれて、もう言葉が出ないほどの美味さ。
温かい抹茶ラテの優しい甘みと、熱々のホットサンドの塩気が最高のループを生み出し、外の寒さを完全に忘れるほどの極上の朝食タイムとなりました。
まとめ
- 新潟の伝統調味料「かんずり」は炊飯器で煮込むことで角が取れて驚くほどマイルドなコクを生み出す
- 炊飯器を活用した車中泊調理は、移動時間や火の番の手間をすべてスキップできる大人の合理的な選択
- 車中泊のホットサンドは、魚(サバ缶)・大葉・チーズを限界まで詰め込むことでプロも唸る黄金の組み合わせが完成
- 100均の泡立て器を使い豆乳でフォームミルクを作るひと手間で、車内でも本格的なカフェ気分を味わえる
仕事の厨房では1g単位の計量と完璧な美しさを求められますが、プライベートの車中泊では、こうして自分が本当に美味しいと思う具材をアバウトに、そして贅沢に楽しむのが一番の薬だと思っています。
また、もし遠出の車中泊に出かける機会があれば、どうせならその土地のスーパーで、そこでしか売られていないような特別な調味料や地物をひとつ買って、
自由なりの料理に挑戦してみても良いかもしれません。
自分だけの車中泊。折角の機会なんですから、今までにない料理を楽しむのも車中泊の一つの醍醐味と言えるでしょう。
失敗もまた楽しみの一つ。是非あなたなりの素敵な車中飯を作って、旅の思い出としてください。


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