今日も早朝の5時、目覚ましが鳴る前に目が覚めました。
自宅の暗いキッチンで一人、挽きたての豆にお湯を落とす。このコーヒーの香りが鼻を抜ける瞬間だけが、戦場(職場)に向かう前の唯一の「凪」の時間です。
毎日のせわしない日常から逃れるべく、先週末は神奈川県の酒匂(さかわ)海岸へ愛車を走らせてきました。7月に入ってから連日30度超え。真夏の車中泊では、エンジンを切った状態でいかに涼しく過ごすかが最大の課題。
そこで、今回のテーマは「真夏の車中泊で本当に眠れるのか」。
車内温度30度超えの環境で、火を使わない夕食、自作クーラー、サーキュレーターを組み合わせ、一晩過ごして検証してみました。
厨房で毎日、コスト削減と品質向上の両立を目指す大手ホテルの副料理長としては、「工夫の精神」の見せ所ですよね。
厨房の知恵。火を使わない「冷製」ディナー
18時の時点で車内温度は33.1度。外の方が28度と涼しいくらいです。予報では日没後も27度、このままでは熱帯夜になることは目に見えています。
なので、ここでの鉄則は「火を使わないこと」。今から夕食の準備に取り掛かるのですが、ただでさえ暑い車内でコンロを使えば、さらに温度が上がるのは目に見えています。
そこで用意したのが、冷めても旨い「特製メニュー」です。
- 鶏ひき肉と豆腐のハンバーグ: 今回はあらかじめ自宅で、鶏ミンチと水切り豆腐を合わせてハンバーグにしてきています。
肉は冷えると硬くなるのが宿命ですが、豆腐を混ぜることで驚くほど柔らかく、ふっくら仕上がります。おろし生姜と醤油でさっぱりした味付けにすれば、蒸し暑い夏でもお箸が進みますよね。 - 小国黒大豆の豆ごはん: お米と小国黒大豆を一緒に炊いて炊き込みご飯にしています。こうすることで、冷蔵庫に入れておいてもパサついたりせず、モチモチ感が持続するんです。
- サラダ: 私はいつもオリーブオイルと酢だけでシンプルに、さっぱりといただきます。
サブバッテリーの調子が悪いので、今日はランタンとポータブル電源で灯りを確保します。
(事前点検では問題ないと思っていましたが、実際に使ってみると想定より早く電圧が落ちました。夏場は冷却機器の使用が増えるため、要注意ですね~。)
サーキュレーターの風に吹かれながら、大好きなノンアルビールを流し込む……。
思わず、「生き返る!」と声が出ちゃいました。
浜辺で若者たちが楽しそうにはしゃぐ賑やかな声をBGMに、一人静かに味わう車中飯。これが最高なんです。
夏を生き抜く「50代の装備品」たち
外に出ると、ぬるい風。。今夜は寝苦しい夜になりそうです。
そこで、私が4年の車中泊歴で揃えた、夏の必需品も紹介しておきましょう。実際には購入したものの使わなくなった装備も多いのですが、以下は現在も継続して使用しているものです。
- サーキュレーター: Amazonで2,000円〜3,000円のもの。風量2段階ですが、空気を回すには十分。
- ペルチェ素子のスマホ冷却器: これ、最近Amazonで2,000円以下で買ったんですが、動画なんかを撮影中に熱くなるスマホを冷やすのに重宝します。ただ、磁力が弱くてくっつかないのが玉にキズ(笑)。
- サンシェード: 結局、日光を遮るのが一番の基本。一年中使っています。
- リバーシブルのブランケット: 暑いときと涼しいときで使い分ける、接触冷感とパイル地の両面仕様になっています。
- 汗拭きシート: ちょっと動くだけで汗だくになるので必須です。
- 虫対策: スプレーはもちろん、USB式の蚊取り器も使います。液体タイプは走行中に漏れるので「カートリッジ式」が断然おすすめ。
- スティックタイプの痒み止め: 刺されたら即塗るのが自分の流儀。
予算750円!ダイソー「自作クーラー」の威力
20時半、車内はまだ32.4度。ここで秘密兵器「自作クーラー(改良版)」の登場です。 材料はすべてダイソー。
土台となるのが、発泡スチロール製の蓋つきクーラーボックス150円です。(本当は300円のインナー付きが欲しかった!)
これに、保冷力をアップさせるために、一緒に買ったアルミテープを貼っています。
風を送るファンは2種類をテスト。
- 300円ファン: 角度調整可。10cmの距離で風速2.3m/s。
- 500円ファン: 風量3段階。後ろに保冷剤を入れるボックスがついています。ただ風速は10cmで1.7m/sと300円ファンに劣ります。
家庭用の扇風機が「弱」で2.9m/s程度なので、300円の方が意外と健闘しています。見た目は少し不格好ですが、冷やす力が強まりそうということで、こちらを採用することに。
まずクーラーボックスの蓋に穴を開け、内側に風を送り込むように下向きにファンをはめ込みます。
次に冷気を送り出すための送風口を側面に開け、内部に氷を入れる用のワイヤーバスケットをセットして完成です。
ワイヤーバスケットに氷を入れると、氷に風が当って、冷風となって送風口から吹き出してくる、という仕組みです。製作時間40分、総額わずか750円の力作です。
当たってみると、確かに風が冷たい!温度計も32.9度から、32.6、32.4……と着実に下がっていきます。
ただし劇的に涼しくなるわけではなく、体感としては「冷たい風が顔や首に当たって楽になる」程度でした。
車内全体を冷やすというより、局所的な冷却装置として使うのが現実的かもしれません。
Fitbitが教える「車中泊のリアル」
さて、ここからが正念場。寝床をセットするだけで汗だくです。サーキュレーターと自作クーラーを枕元に置いて横になりましたが……。 「……うるさい(笑)。」
騒音計を近づけるとかなりの数値。耳栓がないと眠れません。
冷却性能ばかりに目が向いていましたが、実際に寝る段階になると騒音の方が気になるという想定外の結果でした。
翌朝、目が覚めた時の車内温度は31.1度。夜中は一時的に29.5度まで下がりましたが、日が昇るとサンシェードの隙間が火傷しそうなほど熱くなり、室温を押し上げます。
Fitbitで計測した「睡眠スコア」は78。判定は「普通」ですが、実質的な睡眠時間は6時間25分。寝つきは良かったものの、夜中に何度も目が覚めてしまい、完全な睡眠不足です。
同じ車中泊でも、春や秋と比べても明らかに「睡眠スコア」は低く、暑さが睡眠の質に与える影響を改めて実感しました。
まとめ
- 夏の車中泊、火の使用は厳禁。冷めても旨い「豆腐ハンバーグ」が正解。
- ダイソー自作クーラー(750円)は冷風が出るが、ファンの騒音が最大の課題。
- 静かに寝たいなら、ファンだけは「PC冷却用」などの静音タイプを別途買うべし。
- 虫対策は、液漏れしない「カートリッジ式」が副料理長の推奨。
- 記録上の車内最高温度は46度。日中の車内放置は絶対に避けること。
結局のところ、エアコンなしで劇的に温度を下げるのは至難の業です。もし快適さを追求するなら、「標高の高い涼しい場所へ行く」か「車載エアコンを導入する」の二択。
実際、エアコンのない車で夏の夜をいかに涼しく乗り切るかについては、先日訪れたエアコンなしでも涼しい神奈川の秘境・丹沢での避暑車中泊で、標高の選び方や換気対策による効果をリアルに検証しています。
また、車載エアコンについても、窓に取り付ける新発想のポータブルクーラーについて、その実力をレビューしています。
興味のある方は是非チェックしてみて下さい。
仕事も車中泊も、無理せず「知恵」を使って楽しむのが一番ですよね~。



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